『心は、触れたと思った瞬間に距離が生まれ、言葉にした途端、すれ違ってしまう。
けれど、ときどき、触れられないはずのものに微かに触れたと感じる瞬間がある。
だからこそ、見えたり見えなかったりする、わかりきれない心を知ろうとしてしまう。
本展では、言葉になる前の感情や記憶、心の奥に堆積している名前のない曖昧な感覚を、粒子として描いている。
拡散と集結を繰り返す感情の粒は、揺らぎながら再生を繰り返し、形を変えながら確かに存在している。
私にとって「不可知」とは、理解できないという諦めではなく、わからないままでも惹かれ、想像し、
それでもなお近づきたいと思ってしまう感覚である。
その感覚を、私は描きたい。』政井亜子